2022年後半の耳読
・線は、僕を描く 砥上裕将 4 心に傷を負った青年が水墨画との出会いを通して生きる力を取り戻す 最近読んだ本に「ずぶの素人が才能を見出されて半年後に世界タイトルマッチで優勝するなんてストーリーはマンガにもない」とあったが、そんな感じ。でも筆力で読ませる。水墨画習ってみたくなる。
・映画を早送りで観る人たち~ファスト映画・ネタバレーーコンテンツ消費の現在形 稲田豊史 4 想像以上に奥の深い、多方面にわたる分析だった。最後の掌返しにちょっと笑った。変化は仕方ないが、どんどん人間関係も物事の捉え方も薄っぺらくなって行きそうでそこが心配。倍速にしないで再生して、最初は退屈だと思っていたけど、しばらくしたら深い見方ができるようになったというのは私の歌舞伎の鑑賞歴と同じだなぁ
・犬がいた季節 伊吹有喜 3 学生達の青春とその後をその高校で飼われていた一匹の犬を縦糸にして描く
・臆病者のための億万長者入門 橘玲 4 経済や社会の仕組みに明るくなる平易な本 株やFXは経験の浅いトレーダーでも成功することがあることがギャンブルでしかないことの証明というのには異論あるなぁ。
・ロボット・イン・ザ・ガーデン 4 デボラ・インストール 夫婦関係も仕事もうまく行かない優柔不断な男性の自宅の裏庭に突然ロボットが居付いた。おんぼろだけど何か心惹かれるそのロボットとの旅。主人公のロボット、タングがとても魅力的
・臆病者のための裁判入門 橘玲 3 外国人の友人が交通事故に遭い、保険会社のいいかげんな対応に対して少額訴訟を起こそうとするのを気軽な気持ちで手伝いを買って出たら泥沼に。民事裁判の実際の流れや雰囲気がとても興味深い
・われら闇より天を見る クリス・ウィタカー 3 善意の人が不幸を飲み込み、誤解が誤解を生んで子供はどんどん堕ちていく。ここまでドラマチックでなくても、多かれ少なかれ良くある話なのかもしれない
・うまくいっている人の考え方 ジェリー・ミンチントン 2 自分に自信を持とう、みたいな人生訓が沢山書いてある。しかし自信を持とうと言われて自信のない人がいきなり自信を持つなんてできないよな。チェックリストくらいには役に立つかも
・ロボット・イン・ザ・ハウス デボラ・インストール 3 タングシリーズ2作目 タングとの旅を通じて人生を立て直しかけたベンだが、おしかけロボットがもう一体増えてさらに製作者の博士が2体を取り戻しに来る
・10代から知っておきたいあなたを閉じこめる「ずるい言葉」 森山至貴 4 「あなたのためを思って言ってる」「批判ばかりしていても理解してもらえない」など人を押さえつける言い返し辛い言葉に対し、具体的にどう反論するかが示してあって面白い。子供や弱者にはサバイバルテキストとして、大人には自分のずるさに気付かせる
・下町ロケット 池井戸潤 5 ロケット開発の最前線を追われた男が夢をもう一度追いかける 二転三転の展開が早くて文句なく面白い
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